イランは、かつての大帝国ペルシャの雰囲気を残し、他のアラブ系のイスラーム諸国とは異なる文化をもっています。米ドルの世界経済システムを拒み、イスラームのシーア派のもと、独自の経済システムを展開しています。患者や家族を支えるシステムも、国民皆保険の日本と異なる、喜捨(宗教的な寄附)によるものです。
三年前に、イランの古都イスファハンを尋ね、ムサヴィザーデ先生とご一緒し、また、病院での診療や在宅緩和ケアの現場にご一緒する機会を得ました*。イスラーム自体、弱者の保護を重視していますが、その宗教的文脈のうえにわざわざスピリチュアルケアを重ねていく必要性はどこにあるでしょうか? 患者や家族の迷いや困惑を正面から扱うというところにあるのではないかと私は考えますが、実際にはどのようになさっているのか、ムサヴィザーデ先生のご経験をうかがってみたいと思います。
スピリチュアルケアに関わっておられる方は、ぜひ、日本などでの経験と比較してみて下さい。
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<イランのスピリチュアルケア>
イスファハン緩和ケアチームにおける実践と
スピリチュアルケア実践者養成について
司会:葛西賢太(上智大学)
導入:細谷幸子(国際医療福祉大学)「イランの緩和ケアとスピリチュアルケアの概要」
講師:ルーホッラー・ムサヴィザーデ博士(イスファハン医科大学)「イランのスピリチュアルケア:イスファハン緩和ケアチームにおける実践とスピリチュアルケア実践者養成について」
*ペルシャ語−日本語の逐次通訳が入ります。
■日 程:2022年1月24日(月)
■時 間:18:00~20:30
■会 場:オンライン・セミナー
■申し込み:2022年1月22日(土)24時までに下記のフォームからお申し込み下さい。
studies@gmail.com にメールでお知らせ下さい。
https://forms.gle/
上記フォームの記入内容を確認後、前日の1月23日(日)中に、
・接続情報は、申込手続をしていない方にお伝えしないで下さい。
・この会は学術的な目的で行われております。研究内容をじっくり聞き、客観的に吟味し、討議する、学術的環境の保持に協力頂けない場合は、ご退出頂くことがございます。
■共 催:「科研費基盤研究B ムスリム社会におけるマスラハ(福利)の実践-弱者の権利をめぐる比較研究」(代表:堀井聡江 20H01415)
*イスファハーン医科大学を、細谷幸子先生、井口真紀子医師、葛西の3名が訪問したときの記録(三つの論考になっています)は、上智大学の学術リポジトリにある『グリーフケア』8号にてお読みいただけます。
なお、研究会の細谷幸子先生と葛西は、1月9日の「巣ごもり読書会」(イスラームジェンダー科研による)にて、英国のイスラームチャプレンについて論じた本の紹介をいたします。ご関心がありましたらぜひご参加下さい。読書会は参加無料、日本語で行われ、対象書を読んでいなくても参加できますが、事前申し込みが必要です。
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