イスラームジェンダー科研を受けての企画「巣ごもり読書会」として、2022年1月9日 、understanding Muslim Chaplaincyという本を読みました。
その詳細な文字起こし資料(註釈つき)と配付資料、報告が、以下のページに掲載されました。
http://islam-gender.jp/news/344.html
以下、報告の冒頭部分だけ引用いたします。詳細は上記のページでご覧ください。
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「巣ごもり読書会『Understanding Muslim
Chaplaincy』」では、2014年に刊行されたソフィー・ギリアット=レイ(Sophie
Gilliat-Ray)氏の書籍Understanding Muslim
Chaplaincyについて、イランにおける医療が専門の細谷幸子氏、イスラームにおける宗教と医療を専門とする葛西賢太氏が報告を行った。
細谷氏の報告では、ムスリム・チャプレンの基本的な活動内容と、ムスリム・チャプレンは登場してきたイギリスの歴史的背景に関する説明を中心に、本書の概要を説明した。その後細谷氏は、ムスリム・チャプレンの日本における発展の可能性と現状に対する問題提起を行い、報告をまとめた。その後の葛西氏の報告では、イスラーム法学者であるウラマーやイマームといった既存の制度と、ムスリム・チャプレンの違いや、アメリカのサード・スペースの動きと比較しながらムスリム・チャプレンの持つ特徴やそれを要請する社会的背景について深く考察がなされた。
両者の報告の後で、フロアの方から、報告に対するコメントや論点が多く寄せられた。まず、アメリカのムスリム・コミュニティを研究する方から、サード・スペースの成り立ちと社会背景に対する説明があり、既存の宗教権威とサード・スペースの間の緊張関係が指摘され、それと比較して今後のムスリム・チャプレンのあり方に対する質問が投げられた。また、日本ムスリム協会の方から、日本の刑務所におけるムスリムに対する教誨師の活動に関する現状や医療機関におけるそのニーズに対する補足説明があったほか、ムスリム・チャプレンの活動の質を担保する資格制度に対する質問なども挙げられた。さらに日本に住むムスリマの方々から、日本のムスリム・コミュニティと、それをサポートする自助グループの存在とその運営に関する説明や、ムスリマの悩みといったジェンダーに関する日常の問題に対する日本のムスリム・コミュニティの現状に対するコメントが寄せられた。
*報告文作成:保井 啓志さん(東京大学大学院総合文化研究科)